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地域:日本


香港経済貿易統計

2015年1月14日
香港の経済・貿易情報

 

◇要点

・香港経済の2014年1-9月期の実質経済成長率は前年同期比2.4%増(2013年通年は前年比2.9%増)。2014年通年の経済成長率は2.2%増の見込み。

・地場消費の需要と観光支出はともに減速。名目小売売上高は2014年1-11月に前年同期比0.2%増となった。

・労働市場は厳しい状況で、季節調整済み失業率は2014年9-11月期に3.3%と、過去16年間でほぼ最低を記録した。

・消費者物価指数は2014年1-11月期に前年同期比4.4%上昇した。2014年通年の香港の消費者物価は4.3%上昇の見込み。

・製品輸出は2014年1-11月期に前年同期比3.4%増、世界の貿易環境は引き続き困難もあるが、輸出はさらに改善する見込み。

 

◇主要経済指標

主要経済指標

◇製品貿易動向

製品貿易動向

◇サービス貿易動向

trend

 

◇香港・日本間の製品貿易(2014年1月-11月)

香港・日本間の製品貿易(2014年1月-11月)


 

◇経済の現況

・世界で最も自由な経済

・世界で最もサービス業主体の経済(GDP全体の90%以上をサービス業が占める)

・アジア域内で中国本土に次ぐ第2位の海外直接投資(FDI)受け入れ国・地域

・アジア域内で日本、中国本土に次ぐ第3位の海外直接投資(FDI)実施国・地域

 

1.最近の動向

香港経済の実質成長率は2013年通年で前年比2.9%増、2014年1-9月期は前年同期比2.4%増となった。内需の成長はやや鈍化した。2014年1-9月期は、個人消費が前年同期比1.2%の伸びにとどまった。機械・設備の購入を含む投資支出は、前年同期比2.6%減に落ち込んだ。一方、製品輸出は1.4%増、サービス輸出は1.1%増と緩やかな伸びとなった。輸出はわずかながらも成長を維持しているが、民主化デモによる不安定要素が大きいため、2014年通年の経済の見通しは陰りを見せている。香港政府は2014年通年のGDP(域内総生産)成長率見通しを8月は2-3%と予測したが、11月に2.2%増へと下方修正した。

2014年の地場消費需要と観光客支出は減退。2014年1-11月の名目小売売上高は前年同期比0.2%増だった(2013年通年は11%増)。労働市場がひっ迫する中で2014年9-11月の失業率(季節調整値)は過去16年間で最低水準に近い3.3%となった。一方、2014年1-11月の消費者物価指数は4.4%(2013年通年は4.3%)増だった、短期的にインフレは続くと見られるが、消費者物価指数は2014年後半に一時的な救済措置の段階的に終了になることにより、影響を受ける見込み。香港政府は11月の経済予測において、2014年通年の消費者物価指数の見通しを4.3%とした。

2013年通年の海外から香港への来訪者数は11.7%増の約5430万人と、香港の人口の7倍以上となった。うち、中国本土からの来訪者数は全体の75%を占めた。2014年1-11月期の香港への来訪者数は前年同期比12.4%増で、中国本土からは前年同期比16.3%増となった(2013年通年は16.7%増)。香港経済は、2013年通年で、海外から香港への来訪者による観光消費支出が前年比14.8%増の3320億香港ドルとなっていた。

香港経済の4大基幹産業は、貿易・物流(2012年の付加価値ベースGDPの24.6%の割合)、観光(同4.7%の割合)、金融サービス(同15.9%の割合)、専業サービス・その他生産性サービス(同12.8%の割合)となっている。一方、香港が今後のさらなる成長に当たって明らかな優位性を持つ6大産業として、「カルチャー・クリエイティブ」「医療サービス」「教育サービス」「イノベーション・テクノロジー」「テスト・認証サービス」「環境産業」があり、これらは2012年の付加価値ベースGDPの8.7%の割合を占めた。

 

2.政府予算と政府主導

梁振英(CY・リョン)香港行政長官は2015年1月14日に施政方針演説を行い、景気対策、住宅供給増加、香港の人材の活用に関しての新しい政策を明らかにした。経済面では、貿易、金融、船舶輸送、観光、その他専門的なサービス、また将来性のある新興産業に対して支援を継続する。住宅面では、さらなる住宅・商業開発用地を供給するための取り組みと、住宅48万戸の供給を目標とした政府の10年計画に関して包括的な報告を述べた。また貧困緩和、老人介護、環境保護、医療、教育、青少年育成の構想と、人口動態の変化がもたらす課題に取り組むため、5つの新しい施策(退職年齢の延長、地域人材の育成、海外からの有能な人材の誘致、女性と社会的に恵まれない人々の就職支援)を発表した。

2014年2月26日に発表された2014年度予算の中で、曽俊華(ジョン・ツァン)財政長官は香港の競争力強化のための新たな計画を発表した。香港における研究開発費(R&D)投資と商業活動の強化、技術系新興企業の支援、4大基幹産業の促進などである。1000万香港ドルを上限とする民間企業の研究開発費への資金提供と、取引費用削減のため、すべてのETF取引の印紙税撤廃を約束した。また金融、市場拡大、ブランド構築、生産性強化の観点から、中小企業向けに多くの支援策を発表した。2013-2014年の利得税を75%減(1万ドルを上限)、中小企業融資保障計画(SME Financing Guarantee Scheme)の特別割引政策(special concessionary measures)の申し込み期間を2015年2月末まで延長、などが含まれている。

2003年に導入された経済緊密化協定(CEPA)は香港―中国本土間の市場自由化拡大、経済協力のための貿易・投資促進のため2004年から2013年までに10の補充文書が調印された。現在、香港原産品(いくつかの禁制品を除く)はCEPAのもと、無関税で中国本土に輸出することができる。香港のサービス業者は中国市場に参入する際にこの優遇措置を享受できる。CEPAではまた、相互資格認定などについても多くの合意が形成された。

中国政府と香港政府は2014年12月18日、広東省と香港の間でサービス貿易を基本的に自由化する合意文書に調印した。合意内容は2015年3月1日から実施される。香港ー広東省間の貿易自由化策を立案するため、ポジティブリストとネガティブリストを併用する手法を採用した。今回の自由化協定は、広東省で先行された試験的措置に比べ、その内容がより広く深いものとなっている。

CEPAの詳細や最新状況、CEPAが香港に与える影響については、こちら(http://cepa.hktdc.com/)を参照ください。

 

3.投資の流れ

香港は外国直接投資(FDI)の極めて魅力的な市場である。国連貿易開発会議(UNCTAD)の2014年世界投資報告書(World Investment Report)によれば、2013年の海外から香港へのFDIは770億米ドル、米国(1880億米ドル)、中国本土(1240億米ドル)ロシア(790億米ドル)に続く規模となった。一方、FDIの投資元としては、香港は米国(3380億米ドル)、日本(1360億米ドル)、中国本土(1010億米ドル)、ロシア(950億米ドル)に次ぐ世界5位で、香港からのFDIは920億米ドルとなった。

政府調査によると、香港の直接外来投資は2013年末で約1兆3440億米ドルと推定され、同年のGDPの4.9倍あまりの規模となった。こうした直接外来投資の大きな特徴として、タックスヘイブン(租税回避地)のペーパーカンパニーによる香港への間接移転資金が大部分を占める点があげられる。こうした背景から、2012年は、英領バージン諸島が全体の33.7%、オランダ6.6%、バミューダが5.9%を占めた。これらのタックスヘイブンを除き、中国本土は香港にとって最大の投資元であり、全体に占める割合は31.9%となった。その他の主な投資元は、米国(全体の3.3%)、シンガポール(2.2%)だった。大部分の投資は、投資、ホールディング、不動産、専業・ビジネスサービス、銀行、輸出入、卸売、小売などを含むサービス業に関連したものだった。

香港での事業展開に関する詳細情報と支援については、インベスト香港の公式ウェブサイトInvestHKを参照ください。

 

◇最近の貿易実績

・世界第8位の貿易額

・世界第10位のサービス輸出地域

香港の製品輸出額は2014年1-11月期に前年同期比3.4%増(2013年通年は3.6%増)。主要輸出先は中国本土(輸出全体の54%)、EU(同9%)、米国(同9%)、ASEAN(同7%)、日本(同4%)など。主要輸出先への輸出額の前年同期比の増減は、中国本土(1.8%増)、EU(2.6%増)、米国(2.7%増)、ASEAN(9.2%増)、日本(2.7%減)だった。また、香港の製品輸入額は2014年1-11月期に前年同期比4.7%増となった(2013年通年では3.8%増)。同期の貿易赤字は625億米ドルと、製品輸入総額の12.7%に相当する規模だった。香港の貿易実績は、香港企業の大部分が生産拠点を広東省に拡大している関係から、広東省での生産活動の影響を受けることに注意を要する。2013年の香港から中国本土への輸出全体のうち30.6%が、香港企業による本土での生産活動に関連したもので、内訳は国産品輸出が16.7%、再輸出品が30.7%だった。

輸出は引き続き拡大する見込みだが、デフレ圧力や先進国の成長低迷、貿易ブロックの増加、地政学的緊張の高まりは輸出見通しの潜在的な脅威として残っている。供給者側について見ると、香港の輸出業者は中国本土、特に珠江デルタ地域において、投入コストの上昇による生産環境の悪化に直面している。

 

◇中国本土との経済関係

・中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点

・中国本土にとって最大の外国直接投資(FDI)実施国・地域

・中国企業にとっての主要オフショア資金調達センター

・中国本土は香港にとって最も重要な対外投資相手

 

香港はこれまで中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点となっている。香港政府統計処によると、2013年は再輸出の62%が中国原産品で、海外から香港への輸出の55%が中国本土を仕向地としていた。一方、中国本土の税関統計によると、中国本土にとって香港は、米国に次いで二番目に大きい貿易相手で、2013年には香港との貿易が中国本土の貿易額全体の9.6%を占めた。

香港は中国本土に対するFDIの最大の投資元である。2013年末までに中国本土で認可され外資系投資プロジェクト全体に占める香港関連の割合は44.3%だった。香港から中国本土への実際利用資本流入額は累積で6646億米ドルと、資本流入額全体の47.7%を占めた。

一方、香港にとっても、中国本土は、最大の投資元となっている。香港政府統計処によると、2013年末までの中国本土から香港への投資額は、時価ベースで総額4280億米ドルと、香港への投資額全体の31.9%に相当する規模だった。

2013年12月時点で、中国本土で設立された銀行のうち、香港で営業免許を取得しているのは銀行11行と駐在員事務所4カ所である。中国銀行、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行などの大手行は、既に香港に支店を開設している。北京銀行、東莞銀行、広発銀行、平安銀行などの商業銀行も香港に駐在員事務所を置いている。

香港はまた、中国本土の企業にとって、主要なオフショア資金調達センターである。2013年12月時点で、中国本土企業797社が香港に上場し、H株やレッドチップ、民間企業株を構成。時価総額は合計1兆8000億米ドルと、香港の時価総額全体の56.9%を占めた。1993年から現在までに中国本土企業は香港での株式公開によって4000億米ドル以上の資金調達を行った。

2014年11月、上海、香港の両証券取引所で株式の相互取引が開始された。中国資本市場の開放と人民元国際化の特筆すべき進展であり、中国本土の経済、金融改革における香港の戦略的立場が明らかとなった。

 

◇リージョナル・センターとしての香港

・地域本部(リージョナル・ヘッドクオーター)および駐在員事務所としての人気拠点

・アジア太平洋地域における重要な通信拠点

・人民元オフショア取引の最重要拠点

・世界一繁忙な国際貨物取扱空港を提供する拠点

・世界クラスの繁忙なコンテナ取扱港湾を提供する拠点

・アジア第2位のプライベート・エクイティ取引拠点

・アジア第2位、世界第6位の証券取引拠点

・アジア第3位、世界第6位の外国為替取引拠点

 

香港は多国籍企業がアジア太平洋地域、特に中国本土での事業を統括する地域本部(リージョナル・ヘッドクオーター)および駐在員事務所を設置する場所として人気がある。政府調査によると、2014年6月時点で、香港以外に本拠を置く企業が香港に設置した地域本部および地域事務所は5年前より6%増の計3784拠点に達した。これらの拠点の80%は中国本土の事業経営を担っており、香港が中国本土とのパイプ役を担っている。こうした拠点は多様な国々の多様な業種からなる。国・地域別では、米国(全体の21%)が最も多く、次いで日本(同19%)、英国(9%)、中国本土(7%)となった。業種別では、輸出入・卸売、小売が計52%と過半を占め、専門サービス・ビジネスサービス・教育サービスが計18%、金融・銀行が計12%、運輸・倉庫・国際宅配サービスが計7%となった。

香港はアジア太平洋地域の重要な金融センターとなっている。2013年末時点で、正規認可を受けた金融機関が201社、駐在員事務所が62カ所を数える。正規認可を受けた金融機関による国際貿易関連の融資額は計710億米ドル、その他融資額は計2488億米ドルに達する。国際決済銀行(BIS)によると、香港はアジア第3位、世界第5位の外国為替取引市場であり、2013年のネットベースの平均単日取引額は2750億米ドルだった。

香港のオフショア人民元取引は、中国中央政府が2009年7月に中国本土5都市を試験地域に選定して人民元建て貿易決済を開始したことが契機となり、拡大した。これにより香港は貿易金融、人民元建て証券、人民元建て債券、人民元建てファンドを含む人民元建て金融商品・サービスの供給を拡充することに成功した。これ以降、2013年末までに、香港の対外人民元送金額は計8兆7000億元、香港の人民元建て預金は計8600億元に達した。香港での人民建て債券(点心債)の発行額は2013年に1170億元となった。2012年10月、合和公路基建有限公司(ホープウェル・ハイウエー・インフラストラクチャー)の人民元建て株が中国本土外の初の人民元建て株式としてデュアル・トランシェ、デュアル・カウンターIPO(Dual Tranche, Dual Counter:DTDC)で上場された。

2013年末には、香港証券取引市場は時価総額ベースでアジア第2位、世界第6位となった。香港証券取引所への上場企業数は1643社で、うち179社は成長企業市場への上場企業、時価総額は3兆1000億米ドルだった。香港はまた、2013年末に、プライベート・エクイティ・センターとしてアジア第2位(域内シェアは約19%)となった。

香港はまた、アジア太平洋地域の重要な通信ハブである。通信インフラの普及率は、住宅用固定電話回線が100%超、住宅用ブロードバンドが80%。携帯電話加入数は人口の2倍を超す1700万件規模で、うち70%が2.5Gおよび3G/4Gの契約者。無料の無線LAN(Wi-Fi)スポットは2万カ所以上となっている。

香港は世界の主要なビジネス拠点であり、国際会議の開催地としての人気も非常に高い。毎年開催される国際会議および見本市は300件にも上る。一例として、2005年12月には、香港で第6回世界貿易機関(WTO)閣僚会議が開催され、香港閣僚宣言が採択された。2008年12月には、米国外で初となる「クリントン・グローバル・イニシアチブ」が香港で開催された。

 

◇インフラ開発


香港・珠海・マカオ大橋の建設は2009年12月に始まり、2016年の完成が見込まれている。大橋は「主橋」「境界通過施設」「連結道」の3つの部分からなる。今後の香港、マカオ、珠江デルタ西部のさらなる経済発展を促す重要な戦略プロジェクトである。この工事により、香港と珠江デルタ西部とのヒト・モノの移動に伴う経費、時間が飛躍的に削減される。そして、珠江デルタ地域と近隣地域との経済統合が加速され、珠江デルタ地域の競争力が一層高まると期待される。

一方、広州・深セン、香港高速鉄道は西九竜から深センをへて東莞、広州までを結ぶ香港区間が全長26キロメートルになる計画で、完成により、移動時間が短縮化される。さらに重要なのは、急ピッチで建設中の全長1万6000キロメートルに達する国家高速鉄道網に連結され、香港と中国本土の経済関係がさらに緊密化されることである。これらの鉄道が完成すれば、香港からの移動所要時間は、北京が10時間、上海が8時間となる。2017年にはすべての工事が完成する予定となっている。

越境交通インフラの整備のほかに、香港政府は域内交通システムの改善、芸術・文化の長期的な振興、快適な居住空間の市民への提供にも取り組む。鉄道輸送の拡大・延長については、西港島線が既に完成し、觀塘線の延長(2015年完成予定)、南港島線(東段)の敷設(2016年完成予定)、沙田~中環線の敷設(2020年完成予定)が、それぞれ進められている。また政府は全人口の約75%、雇用機会の約85%のエリアをカバーする鉄道網を2031年までに敷設する計画を「2014年鉄道開発戦略」において明らかにした。また啓徳空港跡地に、クルーズ・ターミナルを建設中で、最大22万トン級のメガクルーズ船を二隻、停泊させることができるバースを二つ備えている。

香港国際空港は世界でも最大規模の貨物輸送空港であり、同時に世界10位以内に位置する乗客輸送空港であるため、数年以内に処理能力が限界に達する見込み。3番目の滑走路の建設が急務であり、2023年に試運転を目指し、香港機場管理局は法定の環境影響評価、スキーム設計及び融通の仕組みを進めている。

港湾については、政府は「香港港湾発展戦略2030調査」と「青衣南西部第10コンテナ・ターミナル(CT10)開発に向けた事前事業性評価」の調査結果を発表した。これによると、香港のコンテナ処理量は今後も引き続き拡大が見込まれる。2030年までのコンテナ処理量の増加に対応するため、コンテナ・ターミナルの処理能力およびインフラの強化が必須となっている。改善措置としては、昂船洲の荷卸しエリアを先進的なコンテナ処理施設に更新し、遠洋蒸気船または河川船舶用として利用すること/現時点で遠洋蒸気船の停泊が可能な河川船舶用バースを両タイプの船舶の併用施設とすること/葵青コンテナ・ターミナルのバース増設によりコンテナ貨物増加に対応すること/コンテナ周辺用地やその他施設の活用により運営効率を引き上げ、将来の貨物増に対応すること――などが含まれる。

Wenda Ma

 

 


【注】本稿は英語・中国語の原文を参照して作成した日本語版であり、全文を対訳したものではありません。また、原文の最新の更新が反映され ていない場合がございます。ご利用いただく際は、原文もご確認いただくようお願い申し上げます。