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地域:日本


2016年6月27日
香港経済貿易統計

2016年6月27日

香港の経済・貿易情報

◇要点

・香港経済の2016年1-3月の実質経済成長率は前年同期比0.8%増と、2015年通年の前年比2.4%増から鈍化した。2016年通年の経済成長率は前年比1-2%増の見込み。
・観光客数の伸び悩み、観光支出の低調が顕著となり、2016年1-4月の名目小売売上高は前年同期比11.4%減となった。(2015年通年の名目小売売上高は前年比3.7%減)
・労働市場は引き続きひっ迫しており、季節調整済み失業率は2016年3-5月期に3.4%となった。(2015年通年の季節調整済み失業率は3.3%)
・消費者物価指数は2016年1-5月は前年同期比2.7%増(2015年通年は前年比3.0%増)。近いうちにインフレ圧力が抑制される見込み。
・製品輸出は2016年1-5月は前年同期比4.5%減(2015年通年は前年比1.8%減)。2016年通年の製品輸出は前年比4%減となる見通し。


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 香港・日本間の製品貿易(2016年1-5月)

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◇経済の現況
・世界で最も自由な経済
・世界で最もサービス業主体の経済(GDP構成比の90%以上をサービス業が占める)
・世界で中国本土に次ぐ第2位の海外直接投資(FDI)受け入れ国・地域
・世界で米国に次ぐ第2位の海外直接投資(FDI)実施国・地域

◇最近の動向
香港経済の実質成長率は地場セクターの低調と外部環境の強い逆風を受け、2016年1-3月は前年同期比0.8%増と、2015年通年の前年比2.4%増から鈍化した。20161-3月の個人消費は前年同期比1.1%増へと大幅に縮小した(2015年通年は前年比4.7%増)。投資支出は、2016年1-3月も縮小が続き、前年同期比で10.1%減となった(2015年通年は前年比2.0%減)。外需も引き続き低迷している。2016年1-3月の製品輸出は前年同期比3.6%減、サービス輸出は前年同期比4.9%減となった(2015年通年の製品輸出は前年比1.9%減、サービス輸出は前年比0.2%減)。今後も外部環境は予断を許さず、経済全体の成長要因が地場需要に頼る状況が続く見込み。香港政府は3月の経済予測の中で、2016年通年の香港経済について、前年比1-2%増との予測を明らかにした。
観光客数の伸び悩み、観光支出の低調が顕著となり、2016年1-4月の名目小売売上高は前年同期比11.4%減となった(2015年通年は前年比3.7%減)。労働市場がひっ迫する中で2016年3-5月期の失業率(季節調整値)は3.4%となった(2015年通年は3.3%)。一方、2016年1-5月の消費者物価指数は前年同期比2.7%増(2015年通年は3.0%増)。世界的な低インフレと商品先物価格の軟化のほか、経済情勢の低迷や賃貸コスト圧力の低減によるローカルコストの抑制によって、短期的にはインフレ圧力は限定的とみられる。香港政府は2016年3月の経済予測の中で、2016年通年の消費者物価指数を前年比2.3%増とした。
2015年通年の海外から香港への来訪者数は約5930万人と、香港の人口の8.1倍相当となった。うち、中国本土からの来訪者数は全体の77%を占めた。2016年1-4月の香港への来訪者数の伸び率は前年同期比8.8%減で(2015年通年は2.5%減)で、このうち中国本土からは前年同期比12.6%減となった(2015年通年は前年比3.0%減)。なお、2015年通年は、海外から香港への来訪者による観光消費支出が前年比7.5%減の3320億香港ドルだった。
香港経済の4大基幹産業は「貿易・物流(2014年の付加価値ベースGDPの23.4%の割合)」、「観光(同5.1%の割合)」、「金融サービス(同16.6%の割合)」、「専業サービス・その他生産性サービス(同12.4%の割合)」となっている。一方、香港が今後のさらなる成長に当たって明らかな優位性を持つ6大産業として、「カルチャー・クリエイティブ」「医療サービス」「教育サービス」「イノベーション・テクノロジー」「テスト・認証サービス」「環境産業」があり、これらは2014年の付加価値ベースGDPの9.2%の割合を占めた。


◇予算と政策
香港の梁振英行政長官は2016年1月13日に行った施政報告の中で、教育体制の強化や医療保険制度の改善に取り組む考えを明らかにした。また、イノベーションやテクロノジー関連の諸施策に総額50億香港ドル近い支援を行う考えも明らかにした。さらに重要なこととして、梁長官は、一帯一路と第13次五カ年計画(2016-20年)における香港の役割について強調した。梁長官によると、香港は、「資本形成とファイナンスのプラットフォーム」「貿易と物流」「一帯一路に関連した専門サービス、インフラサービス」といった側面で貢献できるという。このため梁長官は、自身が主導する形で一帯一路に関連した戦略と政策を立案する運営委員会を設立することを決めた。さらに、一帯一路に関連した研究や中央省庁、地方機関などとの連絡事務をとりまとめる一帯一路弁公室を設立することも決めた。香港は、一帯一路に関連した主要な貿易相手国・地域との間で自由貿易協定(FTA)、投資促進・保護協定(IPPA)、二重課税回避協定、航空業務協定の締結に向けて努めてゆくという。教育政策に関しては、2017年度(2017年4月-2018年3月)以降、無料の幼稚園教育制度を導入する考えを明らかにした。医療保険制度に関して政府は、医院管理局と協力して10年で2000億香港ドルを投じた改革プランを進める計画だ。
2016年2月24日に公表した2016年度(2016年4月-17年3月)財政予算案の中で、香港政府の曽俊華財政官は、香港の企業と住民を取り巻く不透明な経済情勢を乗り越え、消費を刺激するための、さまざまな支援策を明らかにした。2015年度の給与所得税や個人所得税について、2万香港ドルを上限に75%還付する策や、中小企業融資担保計画の延長・改善策が盛り込まれた。また、新興市場の台頭やIT分野の技術革新などの「新経済秩序」に対し、曽財政官は、さまざまな融資計画と措置を明らかにした。これには、研究開発(R&D)結果の応用、ITと金融を融合する「フィンテック」、ベンチャー企業育成、各業界の新市場発掘を支援することなどが含まれる。具体的には、「イノベーション&テクノロジー・ファンド」の設立、「一帯一路」のプロモーション強化などの措置が挙げられます。このほか、土地資源、教育、社会福祉、医療サービスなども、2016年度予算の重点項目となっています。

「中国本土・香港経済連携緊密化取り決め(CEPA)」は2003年に中国政府と香港政府の間で締結されました。その後、両政府は、CEPAの適用範囲を広げ、2004年から2013年の間に10の補充文書に調印し、市場の自由化と、経済緊密化に向けた貿易・投資の加速に取り組んでいる。現在では、香港の原産地証明を取得したほぼすべての製品(わずかな例外を除く)が、CEPAの取り決めに基づき、香港から中国本土に無関税で輸入することが可能になっている。香港のサービス提供者はさまざまなサービス分野で、中国本土への進出に当たって優遇を受けることができる。香港と中国本土はまた、専業資格の相互認定でも協力している。

2014年12月には、CEPAの枠組みを基盤にした「本土が広東省と香港のサービス貿易の自由化を基本的に実現する協定(広東協定)」に調印した。この協定に基づき、2015年11月には、対象とするサービスの範囲を拡大し、広東で先行的に試験導入した開放措置を中国本土全域に広げること、ネガティブリスト(制限分野項目表)の記載項目の削減、越境サービスおよび文化・通信分野のポジティブリスト(開放分野項目表)の28項目増加――などが決まった。

CEPAに関する詳細や最新動向、CEPAが香港に与える影響などに関するレポートは次のサイトを参照:
http://hong-kong-economy-research.hktdc.com/business-news/subindex/en/HK-Economy-Hot-Topics/1X486E9L/1/0.htm

◇投資の流れ

香港は外国直接投資(FDI)の受け入れ先として非常に人気がある。国連貿易開発会議(UNCTAD)の「世界投資報告書2015」によると、香港へのFDI総額が2014年に1030億米ドルに達し、中国本土(1290億米ドル)に次いで、国・地域別で世界2位となった。米国(920億米ドル)、英国(720億米ドル)を上回った。一方、海外へのFDI総額についても、香港は1430億米ドルと、米国(3370億米ドル)に次ぐ世界2位で、中国本土(1160億米ドル)、日本(1140億米ドル)、ドイツ(1120億米ドル)を上回った。また、香港政府の調べによると、香港向けの投資総額は2014年末時点で1兆4880億米ドルに上る見込み。

こうした香港向けの投資には大きな特徴がある。それは、タックスヘイブン(租税回避地)のペーパーカンパニーから間接的に香港に流入している点である。このため、2014年の香港向け投資総額の出所の国・地域別内訳は、英領バージン諸島(35.5%)、オランダ(6.4%)、バミューダ(5.3%)、ケイマン諸島(3.4%)となった。タックスヘイブンを除くと、香港にとっての最大の投資元は中国本土で、投資総額の30.1%を占めた。その他の主な投資元は、米国(3.3%)、シンガポール(2.7%)だった。直接投資の大部分は、投資、ホールディングス、不動産、専業・ビジネスサービス、貿易、卸売・小売業、銀行業といったサービス産業に関連している。

香港への会社設立などに関する詳細や最新動向は次のサイトを参照:http://www.investhk.gov.hk/ja/how-we-can-help.html

◇貿易関係と租税条約

香港は世界貿易機関(WTO)の創設メンバーで、その活動に積極的に関与してきた。また、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、環太平洋経済協力会議(PECC)のメンバーであり、アジア開発銀行(ADB)および世界税関機構(WCO)に加盟。アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)および国連貿易開発会議(UNCTAD)の準メンバーでもある。1994年4月以降、経済協力開発機構(OECD)にオブザーバー参加している。

香港は、中国とのCEPAに加え、ニュージーランドや欧州自由貿易連合(EFTA:現在アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスが加盟)、チリとの自由貿易協定(FTA)に調印している。また、東南アジア諸国連合(ASEAN)とFTA締結に向けた交渉を進めている。そのほか、18カ国・地域と投資促進保護協定(IPPAs)を締結、バーレーンおよびミャンマーとのIPPAs交渉を終結、ロシアおよびアラブ首長国連邦(UAE)と交渉中となっている。一方、香港は約30カ国・地域と二重課税防止協定(DTA)を締結し、現在その他12カ国・地域と同協定についての交渉を進めている。


◇最近の貿易実績
・世界第7位の商品輸出額
・世界第14位の商業サービス輸出額
香港の製品輸出額は2016年1-5月は前年同期比4.5%減(2015年通年は1.8%減)。香港の主要輸出先の国・地域別で見た輸出額のシェアと伸び率は2016年1-5月に、中国本土(シェア53%、前年同期比5.9%減)、EU(シェア9%、前年同期比0.2%減)、米国(シェア9%、前年同期比6.2%減)、ASEAN(シェア8%、前年同期比6.5%減)、日本(シェア3%、前年同期比6.5%減)だった。また、2016年1-5月の香港の製品輸入額は前年同期比6.6%減となった(2015年通年では4.1%減)。2016年1-3月の貿易赤字は125億米ドルと、製品輸入総額の11.1%に相当する規模だった。香港の貿易実績は、香港企業の大部分が生産拠点を広東省に拡大している関係から、広東省での生産活動の影響を受けることに注意を要する。2015年の香港から中国本土への輸出全体のうち28.5%が、香港企業による本土での生産活動に関連したもので、内訳は地場製品輸出が13.9%、再輸出が28.7%だった。
しかしながら、世界の貿易状況は中期的にはある程度安定化すると期待されている。2016年通年の香港の商品輸出は前年比4%減となる見込み。先進国でのデフレ圧力が続くことから、新興市場が再びふらつく可能性がある。中国経済の著しい減速、地政学リスクの増大が、世界的な輸出の足かせになると見込まれる。

◇中国本土との経済関係
・中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点
・中国本土にとって最大の外国直接投資(FDI)実施国・地域
・中国企業にとっての主要オフショア資金調達センター
・中国本土は香港にとって最も重要な対外投資相手
香港はこれまで中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点となっている。香港政府統計処によると、2015年は香港からの再輸出の61%が中国原産品で、香港からの輸出の54%が中国本土を仕向地としていた。一方、中国本土の税関統計によると、中国本土にとって香港は、米国に次ぐ二番目の貿易相手で、2015年には香港との貿易が中国本土の貿易額全体の8.7%を占めた。
香港は中国本土に対するFDIの最大の投資元である。2015年末までに中国本土で認可され外資系投資プロジェクト全体に占める香港関連の割合は44.7%だった。香港から中国本土への実際利用資本流入額は2014年末時点で8323億米ドルと、資本流入額全体の50.8%を占めた。
一方、香港は中国本土への最大の投資元となっている。香港政府統計處によると、中国本土から香港への投資額は累計で4480億米ドルと、海外から香港への投資額全体の30.1%を占めた。
2016年1月時点で、中国本土で設立された銀行のうち、香港で営業免許を取得しているのは銀行11行と駐在員事務所6カ所である。中国銀行、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行などの大手行は、既に香港に支店を開設している。北京銀行、東莞銀行、渤海銀行、広発銀行、平安銀行などの商業銀行も香港に駐在員事務所を置いている。
香港はまた、中国本土の企業にとって、主要なオフショア資金調達センターである。2015年12月時点で、中国本土企業951社が香港に上場し、H株やレッドチップ、民間企業株を構成。時価総額は合計1兆9700億米ドルと、香港の時価総額全体の62.1%を占めた。1993年から現在までに中国本土企業は香港での株式公開によって5000億米ドル以上の資金調達を行った。
2014年11月、上海、香港の両証券取引所で株式の相互取引が開始された。中国資本市場の開放と人民元国際化の特筆すべき進展であり、中国本土の経済、金融改革における香港の戦略的立場が明らかとなった。


◇リージョナル・センターとしての香港


・地域本部(リージョナル・ヘッドクオーター)および駐在員事務所としての人気拠点
・アジア太平洋地域における重要な通信拠点
・人民元オフショア取引の最重要拠点
・世界一繁忙な国際貨物取扱空港を提供する拠点
・世界クラスの繁忙なコンテナ取扱港湾を提供する拠点
・アジア第2位のプライベート・エクイティ取引拠点
・アジア第4位、世界第8位の証券取引拠点
・アジア第3位、世界第5位の外国為替取引拠点

香港は多国籍企業がアジア太平洋地域、特に中国本土での事業を統括する地域本部(リージョナル・ヘッドクオーター)および駐在員事務所を設置する場所として人気がある。政府調査によると、2015年6月時点で、香港以外に本拠を置く企業が香港に設置した地域本部および地域事務所は5年前に比べて4.4%増の計3798拠点に達した。これらの拠点の70%は中国本土の事業経営を担っており、香港が中国本土とのパイプ役となっている。こうした拠点は多様な国々の多様な業種からなる。国・地域別では、米国(全体の21%)が最も多く、次いで日本(同18%)、英国(9%)、中国本土(8%)となった。業種別では、輸出入・卸売、小売が計51%と過半を占め、専門サービス・ビジネスサービス・教育サービスが計18%、金融・銀行が計12%、運輸・倉庫・国際宅配サービスが計8%となった。
香港はアジア太平洋地域の重要な金融センターとなっている。2015年末時点で、正規認可を受けた金融機関が199社、駐在員事務所が64カ所を数える。正規認可を受けた金融機関による国際貿易関連の融資額は計582億米ドル、その他融資額は計2924億米ドルに達する。国際決済銀行(BIS)によると、香港はアジア第3位、世界第5位の外国為替取引市場であり、2013年のネットベースの平均単日取引額は2750億米ドルだった。
香港のオフショア人民元取引は、中国中央政府が2009年7月に中国本土5都市を試験地域に選定して人民元建て貿易決済を開始したことが契機となり、拡大した。これにより香港は貿易金融、人民元建て証券、人民元建て債券、人民元建てファンドを含む人民元建て金融商品・サービスの供給を拡充することに成功した。これ以降、2014年末までに、香港の対外人民元送金額は計15兆元以上、香港の人民元建て得意先預金は計1兆元に達した。香港での人民建て債券(点心債)の発行額は2015年10月末までに3670億元となった。
2015年12月末には、香港証券取引市場は時価総額ベースでアジア第4位、世界第8位となった。香港証券取引所への上場企業数は1866社で、うち222社は成長企業市場への上場企業、時価総額は3兆1600億米ドルだった。香港はまた、2014年末に、プライベート・エクイティ・センターとしてアジア第2位(域内シェアは約19%)となった。
香港はまた、アジア太平洋地域の重要な通信ハブである。通信インフラの普及率は、住宅用固定電話回線が96%超、住宅用ブロードバンドが80%。携帯電話加入数は人口の2倍を超す1650万件規模で、うち85%以上が2.5Gおよび3G/4Gの契約者。無料の無線LAN(Wi-Fi)スポットは4万カ所近くとなっている。
香港は世界の主要なビジネス拠点であり、国際会議の開催地としての人気も非常に高い。一年間に開催される国際会議および見本市は約300件にも上る。一例として、2005年12月には、香港で第6回世界貿易機関(WTO)閣僚会議が開催され、香港閣僚宣言が採択された。2008年12月には、米国外で初となる「クリントン・グローバル・イニシアチブ」が香港で開催された。


◇インフラ開発
 香港・珠海・マカオ大橋は「主橋」「境界通過施設」「連結道」の3つの部分からなる。今後の香港、マカオ、珠江デルタ西部のさらなる経済発展を促す重要な戦略プロジェクトである。完成すれば、香港と珠江デルタ西部とのヒト・モノの移動に伴う経費、時間が飛躍的に削減される。そして、珠江デルタ地域と近隣地域との経済統合が加速され、珠江デルタ地域の競争力が一層高まると期待される。建設は2017年完了を目指して2009年12月より始まった。
一方、広州・深セン、香港高速鉄道は西九竜から深センをへて東莞、広州までを結ぶ香港区間が全長26キロメートルになる計画で、完成により、移動時間が短縮化される。さらに重要なのは、急ピッチで建設中の全長1万6000キロメートルに達する国家高速鉄道網に連結され、香港と中国本土の経済関係がさらに緊密化されることである。これらの鉄道が完成すれば、香港からの移動所要時間は、北京が10時間、上海が8時間となる。2018年にはすべての工事が完成する予定となっている。
越境交通インフラの整備のほかに、香港政府は域内交通システムの改善、芸術・文化の長期的な振興、快適な居住空間の市民への提供にも取り組む。鉄道輸送の拡大・延長については、西港島線が既に完成し、觀塘線の延長(2016年完成予定)、南港島線(東段)の敷設(2016年完成予定)、沙田~中環線の敷設(2021年完成予定)が、それぞれ進められている。また政府は全人口の約75%、雇用機会の約85%のエリアをカバーする鉄道網を2031年までに敷設する計画を「2014年鉄道開発戦略」において明らかにした。また啓徳空港跡地に、クルーズ・ターミナルを建設中で、最大22万トン級の大型客船を二隻、停泊させることができるバースを二つ備えている。
香港国際空港(HKIA)は世界でも最大規模の貨物輸送空港であり、同時に世界ランキング10位以内に入る乗客輸送空港であるため、数年以内に処理能力が限界に達する見込み。行政会議(長官の諮問機関)は空港の滑走路を3本にすることを認可し、香港機場管理局は2023年完成を目指し、2016年から建設開始予定。
港湾については、政府は「香港港湾発展戦略2030調査」と「青衣南西部第10コンテナ・ターミナル(CT10)開発に向けた事前事業性評価」の調査結果を発表した。これによると、香港のコンテナ処理量は今後も引き続き拡大が見込まれる。2030年までのコンテナ処理量の増加に対応するため、コンテナ・ターミナルの処理能力およびインフラの強化が必須となっている。改善措置としては、昂船洲の荷卸しエリアを先進的なコンテナ処理施設に更新し、遠洋蒸気船または河川船舶用として利用すること/現時点で遠洋蒸気船の停泊が可能な河川船舶用バースを両タイプの船舶の併用施設とすること/葵青コンテナ・ターミナルのバース増設によりコンテナ貨物増加に対応すること/コンテナ周辺用地やその他施設の活用により運営効率を引き上げ、将来の貨物増に対応すること――などが含まれる。

 

【注】本稿は英語・中国語の原文を参照して作成した日本語版であり、全文を対訳したものではありません。また、原文の最新の更新が反映されていない場合がございます。ご利用いただく際は、原文もご確認いただくようお願い申し上げます。