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香港の経済・貿易情報

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 2017年11月28日更新

香港の経済・貿易情報
◇要点
・2017年1-9月期の実質経済成長率は前年同期比3.9%増と、2016年通年の前年比2.0%増から伸びが拡大。2017年通年の経済成長率は前年比3.7%増の見込み。
・2017年1-9月期の名目小売売上高は前年同期比0.9%増(2016年通年は前年比8.1%減)。
・2017年8-10月期の季節調整済み失業率は3.0%(2016年通年は3.4%)。労働市場は引き続きひっ迫する。
・2017年1-10月期の消費者物価指数は前年同期比1.4%増(2016年通年は前年比2.4%増)。2017年通年のインフレ率が1.7%に下がる見込みとなっており、短期的にはインフレ圧力は抑制されるとみられる。
・2017年1-10月期の製品輸出は前年同期比8.3%増(2016年通年は前年比0.5%減)。
・香港特別行政区政府と中華人民共和国商務部は2017年6月28日、香港・中国経済貿易緊密化協定(CEPA)の枠組みの下で新たに投資協定(Investment Agreement)と経済技術協力協定(Economic and Technical Cooperation)を締結した。

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 *数値は発表時点の速報値

◇経済の現況
・世界で最も自由な経済
・世界で最もサービス業主体の経済(GDP構成比の90%以上をサービス業が占める)
・米国に次ぐ世界第2位の海外直接投資(FDI)投資・受入国・地域


◇最近の動向
2017年7-9月期の香港の実質経済成長率は前年同期比3.6%増となった。2017年1-9月期の同成長率は同3.9%増だった。2016年通年の前年比2.0%増に比べて伸び幅が拡大した。2017年1-9月期の個人消費の伸びは前年同期比5.3%増と2016年通年の前年比1.8%増に比べて拡大。2017年1-9月期の投資支出も前年同期比3.7%増と、2016年の前年比0.3%減から反転した。対外部門に関しては、同期の製品輸出は前年同期比6.7%増加した(2016年通年は前年比1.8%増)。同期のサービス輸出は前年同期比3.0%増となった(2016年通年は前年比3.2%減)。今後は、外部環境は一層改善すると期待される。一方、内需は望ましい雇用状況と収入状況に支えられると予想される。香港政府は2017年11月に発表した最新の経済分析(Economic Situation and Updated GDP and Price Forecasts)の中で、2017年通年の経済成長率について前年比3.7%増と予想しており、2017年8月に発表した予想(同3-4%増)の中間値よりも高い水準となっている。
2017年1-9月期の名目小売売上高は前年同期比0.9%増となり、2016年通年の前年比8.1%減から反転した。労働市場がひっ迫する中で2017年8-10月の失業率(季節調整値)は3.0%となった(2016年は3.4%)。一方、2017年1-10月期の消費者物価指数は前年同期比1.4%増(2016年は2.4%増)。輸入インフレの低下とローカルコストの緩やかな増加により、今後も短期的にはインフレ圧力は小康状態となる見込み。2017年11月の最新の経済分析で政府は、香港の消費者物価が2017年に1.7%になると見込んでいる。これは8月に予想した1.8%から0.1パーセントポイント低い数値となっている。
2016年通年の海外から香港への来訪者数は約5670万人と、香港の人口の7.7倍相当となった。うち、中国本土からの来訪者数は全体の76%を占めた。2017年1-9月期の香港への来訪者数の伸び率は前年同期比2.2%増となった(2016年通年は前年比4.5%減)。うち、中国本土からは前年同期比2.5%増となった(2016年通年は前年比6.7%減)。なお、2016年通年は、海外から香港への来訪者による観光消費支出が前年比10.1%減の2960億香港ドルだった。
香港経済の4大基幹産業は「貿易・物流(2015年の付加価値ベースGDPに占める割合は22.3%)」、「観光(同5.0%の割合)」、「金融サービス(同17.6%の割合)」、「専門サービス・その他生産性サービス(同12.3%の割合)」となっている。一方、香港が今後のさらなる成長に当たって明らかな優位性を持つ6大産業として、「文化・クリエーティブ」「医療サービス」「教育サービス」「イノベーション・テクノロジー」「試験・認証サービス」「環境産業」があり、これらは2015年の付加価値ベースGDPに占める割合が8.9%となった。
◇予算と政策
香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は2017年10月11日に行った施政方針演説の中で、香港の「ファシリテーター(進行役)」および「プロモーター(世話人)」としての役割とならび、「一帯一路」経済圏構想や、広東省と香港、マカオの経済協力を強化する「粤港澳大湾区」構想に伴う機会を強調した。香港政府は香港が国際的な法的サービスおよび紛争解決サービスの主要拠点としての役割を積極的にプロモーションし、香港と「粤港澳大湾区」との法律セクター間の協力関係を促進するよう尽力する構えを示した。香港を国際的なイノベーションとテクノロジーのハブとして発展させることについて林行政長官は、クリエーティブ産業とならびイノベーション、テクノロジーの発展加速に向けた一連の措置を策定した。政府はまず、R&D(研究開発)支出がGDPに占める割合を従来の0.7%から1.5%に増やすことを決めた。また、香港の国際的な金融センターとしては地位を再強化するため、金融市場の多様な発展を促進する方針を示した。人民元の相互の越境使用に向けたチャネルの拡大も模索する。各国・地域との相互協定の強化に関しては、政府は自由貿易協定(FTA)、投資促進保護協定(IPPAs)、二重課税防止協定(DTA)を締結し、市場のさらなる開放と、香港の貿易・商業・金融センターとしての地位強化を目指す考え。
香港の陳茂波(ポール・チャン)財政官は2017年2月22日、2017/18年度政府予算案とともに、香港経済の競争力を強化し、香港をさらに活力ある都市に成長させるための多くの施策を発表した。これらの施策には(ⅰ)積替貨物、越境Eコマース、高付加価値型の航空貨物ビジネスの成長支援に向けた施策の精査、(ⅱ)人民元の相互の越境使用に向けたチャネルの拡大、中国本土と香港間の債権相互取引へのさらなる投資家誘致を実現する方法についての中国当局との協議、(ⅲ)産学界のR&D活動への資金援助およびスタートアップ企業への支援、(ⅳ)大気と水の品質改善、森林・灌木・草地などを指す「緑色資源(グリーン・アセット)」の改善、海・河川・渓流・砂浜・ダム・人造湖などを指す「藍色資源(ブルー・アセット)」の改善、廃棄物処理の改善--などが含まれる。以上の長期的な取り組みに加え、陳財政官は即効性のある中小企業支援措置として、中小企業融資保証スキームにおける特別優遇措置の申請期間延長など、企業の資金繰りに便宜を図る措置を明らかにした。

「中国本土・香港経済連携緊密化取り決め(CEPA)」は2003年に中国政府と香港政府の間で締結された。その後、両政府は、CEPAの適用範囲を広げ、2004年から2013年の間に段階的に10種類の補充文書に調印し、市場の自由化と、経済緊密化に向けた貿易・投資の加速に取り組んだ。現在では、香港の原産地証明を取得したほぼすべての製品(わずかな例外を除く)が、CEPAに基づき、香港から中国本土に無関税で輸入することが可能。香港のサービス提供者はさまざまなサービス分野で、中国本土への進出に当たって優遇を受けることができる。香港と中国本土はまた、専業資格の相互認定でも協力している。

2014年12月には、CEPAの枠組みを基盤にした「本土が広東省と香港のサービス貿易の自由化を基本的に実現する協定(広東協定)」が調印された。この協定に基づき、2015年11月には、対象とするサービスの範囲を拡大し、広東で先行的に試験導入した開放措置を中国本土全域に広げること、ネガティブリスト(制限分野項目表)の記載項目の削減、越境サービスおよび文化・通信分野のポジティブリスト(開放分野項目表)の28項目増加――などで合意し、「サービス貿易協定(Agreement on Trade in Service)」を締結した。

2017年6月には、CEPAの枠組みの下で新たに投資協定(IA)と経済・技術協力協定(EcoTech Agreement)の2つの協定を締結した。投資協定(IA)は上述の「サービス貿易協定」に含まれない非サービス業にも、市場へのアクセスを可能にするもので、サービス業および非サービス業のいずれにも投資保護の義務を負わせるものとなっている。経済・技術協力協定は香港と中国本土との従来からの経済・技術協力活動を統合、更新するもの。「一帯一路」経済圏構想やCEPAの枠組みに基づく下位地域協力(Sub-regional Cooperation)での経済・貿易協力を含む。なお、CEPAに関する詳細や最新動向、CEPAが香港に与える影響などに関するレポートは次のサイトを参照:
http://hong-kong-economy-research.hktdc.com/business-news/subindex/en/HK-Economy-Hot-Topics/1X486E9L/1/0.htm

◇投資の流れ

香港は世界有数の外国直接投資(FDI)受け入れ先となっている。国連貿易開発会議(UNCTAD)の「世界投資報告書2017」によると、香港へのFDI総額が2016年に1080億米ドルに達し、世界4位、アジアでは中国本土(1340億米ドル)に次いで2位の規模となった。一方、海外へのFDI総額についても、香港は620億米ドルと、中国本土(1830億米ドル)と日本(1450億米ドル)に次ぐアジア3位となった。

香港政府によると、香港向けの投資総額は2015年末時点で1兆5820億米ドルに達したと推定されている。こうした香港向けの投資には大きな特徴がある。それは、タックスヘイブン(租税回避地)のペーパーカンパニーから間接的に香港に流入している点である。2015年の香港向け投資総額の出所の国・地域別内訳は、英領バージン諸島(35.1%)、ケイマン諸島(7.0%)、オランダ(6.3%)、バミューダ(4.6%)となった。タックスヘイブンを除くと、香港にとっての最大の投資元は中国本土で、投資総額の26.5%を占めた。その他の主な投資元は、シンガポール(2.8%)、米国(2.6%)、英国(2.1%)だった。直接投資の大部分は、投資、ホールディング、不動産、専門・ビジネスサービス、銀行、貿易、卸売・小売業といったサービス産業に関連している。

香港への会社設立などに関する詳細や最新動向は次のサイトを参照:http://www.investhk.gov.hk/ja/how-we-can-help.html

◇貿易関係と租税条約

香港は世界貿易機関(WTO)の創設メンバーで、その活動に積極的に関与してきた。また、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、環太平洋経済協力会議(PECC)のメンバーであり、アジア開発銀行(ADB)および世界税関機構(WCO)に加盟し、アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)および国連貿易開発会議(UNCTAD)の準メンバーでもある。1994年4月以降、経済協力開発機構(OECD)にはオブザーバーとして参加している。香港はまた、2017年6月からアジアインフラ投資銀行(AIIB)に加盟している。

香港は、中国とのCEPAに加え、ニュージーランドや欧州自由貿易連合(EFTA:現在アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイスが加盟)、チリ、マカオ、東南アジア諸国連合(ASEAN)との自由貿易協定(FTA)に調印している。また、グルジア、モルジブ、豪州と各々FTA締結に向けた交渉を進めている。そのほか、19の経済体と投資促進保護協定(IPPAs)を締結、バーレーン、メキシコ、ミャンマー、アラブ首長国連邦(UAE)と各々IPPA交渉を終結し、イラン、ロシアと各々交渉中となっている。一方、香港は約30カ国・地域と二重課税防止協定(DTA)を締結し、現在その他13カ国・地域と同協定についての交渉を進めている。
◇最近の貿易実績
・世界第6位の商品輸出額
・世界第15位の商業サービス輸出額
香港の製品輸出額は2017年1-9月期に前年同期比8.3%増(2016年通年は前年比0.5%減)となった。香港の主要輸出先の国・地域別で見た輸出額のシェアと伸び率は2017年1-10月期は、中国本土(シェア54.0%、前年比9.0%増)、EU(シェア8.9%、前年比4.3%増)、米国(シェア8.6%、前年比0.4%増)、ASEAN(シェア7.4%、前年比9.5%増)、インド(シェア4.1%、前年比35.1%増)、日本(シェア3.3%、前年比9.5%増)だった。また、2017年1-10月期の香港の製品輸入額は、前年同期比8.7%増となった(2016年は0.9%減)。2017年1-10月期の貿易赤字は489億米ドルと、製品輸入総額の10.8%に相当する規模だった。
世界的な貿易環境の改善を受け、香港の輸出は2017年から好調となっている。香港の輸出成長は年後半に入り、比較する数字の堅調さから、減速を余儀なくされる見込みとなっている。米国の保護主義政策、欧州連合(EU)の政治的不透明性、新興国市場のつまずき、地政学的緊張の高まりなどが、景気後退を引き起こす主なリスク要因と考えられている。
◇中国本土との経済関係
・中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点
・中国本土にとって最大の外国直接投資(FDI)実施国・地域
・中国企業にとっての主要オフショア資金調達センター
・中国本土は香港にとって最も重要な対外投資相手
香港はこれまで中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点となっている。香港政府統計処によると、2016年は香港からの再輸出の59%が中国原産品で、香港からの輸出の54%が中国本土を仕向地としていた。一方、中国本土の税関統計によると、中国本土にとって香港は、米国に次ぐ二番目の貿易相手で、2016年には香港との貿易が中国本土の貿易額全体の8.3%を占めた。
香港は中国本土に対するFDIの最大の投資元である。2016年末までに中国本土で認可され外資系投資プロジェクト全体に占める香港関連の割合は44.7%だった。香港から中国本土への実際利用資本流入額は9137億米ドルと、資本流入額全体の51.8%を占めた。
一方、香港は中国本土への最大の投資元となっている。香港政府統計處によると、2015年末の中国本土から香港への投資額は累計で4190億米ドルと、海外から香港への投資額全体の26.5%を占めた。
2016年12月時点で、中国本土で設立された銀行のうち、香港で営業免許を取得しているのは、銀行11行と駐在員事務所7カ所である。中国銀行、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行などの大手行は、既に香港に支店を開設。北京銀行、東莞銀行、渤海銀行、広発銀行、華夏銀行、平安銀行などの商業銀行も香港に駐在員事務所を置いている。
香港はまた、中国本土の企業にとって、主要なオフショア資金調達センターである。2016年12月時点で、中国本土企業1002社が香港に上場し、H株(中国本土企業株)やレッドチップ(中国本土系香港企業)、民間企業株を構成。時価総額は合計で約2兆米ドルと、香港の時価総額全体の63.0%を占めた。1993年から現在までに中国本土企業は香港での株式公開によって5000億米ドル以上の資金調達を行った。
2014年11月には、香港と中国本土の証券市場の相互アクセスを目的として、上海・香港の両証券取引所間で売買注文を取り次ぐ株式相互取引が開始され、中国の資本市場開放の重要な第一歩となった。2016年12月には深圳・香港の両証券取引所間でも同様の相互取引システムが完成した。これにより、香港と中国本土の相互投資がより容易になり、人民元オフショア取引ハブとしての香港の発展がより確実となった。

2017年7月、香港金融管理局と中国人民銀行は香港・中国本土間の債券相互取引「債券通」を解禁した。
◇リージョナル・センターとしての香港
・地域本部(リージョナル・ヘッドクオーター)および駐在員事務所としての人気拠点
・アジア太平洋地域における重要な通信拠点
・人民元オフショア取引の最重要拠点
・世界一繁忙な国際貨物取扱空港を提供する拠点
・世界有数の繁忙なコンテナ取扱港湾を提供する拠点
・アジア第4位、世界第8位の証券取引拠点
・アジア第2位、世界第4位の外国為替取引拠点

香港は多国籍企業がアジア太平洋地域、特に中国本土での事業を統括する地域本部(リージョナル・ヘッドクオーター)および駐在員事務所を設置する場所として人気がある。政府調査によると、2017年 6月時点で、香港以外に本拠を置く企業が香港に設置した地域本部および地域事務所は前年比1.0%減の計3752拠点に達した。これらの拠点の76%は中国本土の事業経営を担っており、香港が中国本土とのパイプ役となっている。こうした拠点は多様な国々の広範囲な業種からなる。国・地域別では、米国(全体の19%)が最も多く、次いで日本(同18%)、中国本土(9%)、英国(9%)、となった。業種別では、輸出入・卸売、小売が計52%を占め、専門サービス・ビジネスサービス・教育サービスが計16%、金融・銀行が計14%、運輸・倉庫・国際宅配サービスが計7%となった。
香港はアジア太平洋地域の重要な金融センターとなっている。2016年末時点で、正規認可を受けた金融機関が195社、駐在員事務所が54カ所を数える。正規認可を受けた金融機関による国際貿易関連の融資額は計583億米ドル、その他融資額は計3055億米ドルに達する。国際決済銀行(BIS)によると、香港は2016年時点でアジア第2位、世界第4位の外国為替取引市場であり、同年のネットベースの平均単日取引額は4370億米ドルだった。
香港のオフショア人民元取引は、中国中央政府が2009年7月に人民元建て貿易決済を開始したことが契機となり、拡大した。これにより、香港に拠点を持つ銀行の人民元決済は2015年10月までに総額21兆元に上った。これは、世界の人民元決済の約70%を占める規模だった。香港における人民元預金残高は2016年11月までに6280億元となった。これは2009年7月の人民元建て貿易決済開始当初に比べ10倍以上の規模に相当する。
2016年12月末には、香港証券取引市場は時価総額ベースでアジア第4位、世界第8位となった。香港証券取引所への上場企業数は1973社で、うち260社は成長企業市場への上場企業、時価総額は3兆1700億米ドルだった。
香港はまた、アジア太平洋地域の重要な通信ハブである。通信インフラの普及率は、住宅用固定電話回線が90%超、住宅用ブロードバンドが85%。携帯電話加入数は人口の2倍を超す1700万件規模で、うち90%以上が2.5Gおよび3G/4Gの契約者。無料の無線LAN(Wi-Fi)スポットは4万4000カ所近くとなっている。
香港は世界の主要なビジネス拠点であり、国際会議の開催地としての人気も非常に高い。一年間に開催される国際会議および見本市は約300種にも上る。一例として、2005年12月には、香港で第6回世界貿易機関(WTO)閣僚会議が開催され、香港閣僚宣言が採択された。2008年12月には、米国外で初となる「クリントン・グローバル・イニシアチブ」が香港で開催された。
◇インフラ開発
香港・珠海・マカオ大橋は「主橋」「境界通過施設」「連結道」の3つの主要部からなる。今後の香港、マカオ、珠江デルタ西部のさらなる経済発展を促す重要な戦略プロジェクトである。完成すれば、香港と珠江デルタ西部とのヒト・モノの移動に伴う経費、時間が飛躍的に削減される。珠江デルタ地域と近隣地域との経済統合が加速され、珠江デルタ地域の競争力が一層高まると期待される。建設は2017年完了を目指して2009年12月から開始された。
一方、広深港高速鉄道は西九竜から深センをへて東莞、広州までを結ぶ香港区間が全長26キロメートルになる計画で、完成により、移動時間が短縮化される。特筆すべきは、急ピッチで建設中の全長1万6000キロメートルに達する国家高速鉄道網に連結され、香港と中国本土の経済関係がさらに緊密化されることである。これらの鉄道が完成すれば、香港からの移動所要時間は、北京が10時間、上海が8時間となる。2018年にはすべての工事が完成する予定となっている。
越境交通インフラの整備のほかに、香港政府は域内交通システムの改善、芸術・文化の長期的な振興、快適な居住空間の整備にも取り組む。鉄道輸送の拡大・延長については、西港島線、観塘線、南港島線(東段)が既に完成している。また、沙田~中環線の敷設(2021年完成予定)が、それぞれ進められている。また政府は全人口の約75%、雇用機会の約85%のエリアをカバーする鉄道網を2031年までに敷設する計画を「2014年鉄道開発戦略」において明らかにした。また啓徳空港跡地に、クルーズ・ターミナルを建設中で、最大22万トン級の大型客船を二隻停泊させることができるバースを二つ備えている。
香港国際空港(HKIA)は世界で最も貨物取扱量の多い空港であり、利用者数でも世界で10位以内に入る。このため、香港空港管理局によると、2本の滑走路の処理能力はまもなく限界に達する見込み。第3滑走路の建設工事は2016年に始まり、2022年に試験運用、2024年に完成が予定されている。
港湾について政府は、「香港港湾発展戦略2030調査」と「青衣南西部第10コンテナ・ターミナル(CT10)開発に向けた事前事業性評価」の調査結果を発表した。これによると、香港のコンテナ処理量は引き続き拡大が見込まれる。2030年までのコンテナ処理量の増加に対応するため、コンテナ・ターミナルの処理能力およびインフラの強化が必須となっている。改善措置としては◇昂船洲の荷卸しエリアを先進的なコンテナ処理施設に更新し、遠洋蒸気船または河川船舶用として利用する◇現時点で遠洋蒸気船の停泊が可能な河川船舶用バースを両タイプの船舶の併用施設とする◇葵青コンテナ・ターミナルのバース増設によりコンテナ貨物増加に対応する◇コンテナ周辺用地やその他施設の活用により運営効率を引き上げ、将来の貨物増に対応する――などが含まれる。
 

 【注】本稿は英語・中国語の原文を参照して作成した日本語版仮訳であり、英語または中国語の原文全文を対訳したものではありません。また、原文の最新の更新が反映されていない場合がございます。ご利用いただく際は、原文もご確認いただくようお願い申し上げます。原文は公式サイトのリサーチ欄(http://research.hktdc.com/)にある「HK Economy」⇒「Economic Factsheet」にて無料で全文の閲覧が可能です。