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地域:日本


香港経済貿易統計

2014年5月29日
香港の経済・貿易情報

 

◇要点

・香港経済の2014年1-3月期の実質経済成長率は前年比2.5%増(2013年は2.9%増)。2014年通年の経済成長率は3-4%増の見込み。

・消費需要と観光消費は引き続き好調。名目小売売上高は2014年1-3月は前年同月比4.2%増となった。

・労働市場は厳しい状況で、失業率は2014年2-4月期は3.1%と16年間で過去最低を記録した。

・消費者物価は2014年1-4月期に前年同期比4%増加した。インフレが予測されており、2014年通年の香港の消費者物価は4.6%増の見込み。

・輸出は2014年1-4月期は前年同期比0.1%と微増、世界の貿易環境は今年末には改善の見込み。

 

◇主要経済指標

Major Economic Index

◇製品貿易動向

trend

◇サービス貿易動向

trade

 

◇香港・日本間の製品貿易(2014年1月-3月)

HK&JP


 

◇経済の現況

・世界で最も自由な経済

・世界で最もサービス業主体の経済(GDP全体の90%以上をサービス業が占める)

・アジア域内で中国本土に次ぐ第2位の海外直接投資(FDI)規模

・アジア域内で日本、中国本土に次ぐ第2位のFDI受け入れ国・地域

 

1.最近の動向

香港経済は2013年通年は前年比2.9%増、2014年1-3月期は前年比2.5%増と国内部門も引き続き堅調であった。就業状況および労賃が好調となる中、2014年1-3月期の個人消費は2%増。建設活動が再び活発になり、投資支出は3%増。一方、製品輸出は0.5%増、サービス輸出は3.1%増と堅調で経済に刺激を与えた。香港の輸出はさらによくなる見通しだが、それにより国内需要も上向きになると思われる。香港政府は2014年通年のGDP(域内総生産)成長率を5月に3-4%増と予測した。

2014年1-3月の小売売上高は名目前年同期比4.2%増(2013年通年は11%増)だった。地場消費と観光客による消費が引き続き順調。労働市場がひっ迫する中で2014年1-4月の失業率(季節調整値)は3.1%と過去16年間で最低となった。2014年1-3月の消費者物価指数は4%(2013年通年は4.3%)増だった。しかし輸入価格上昇が落ち着き、賃料増の緩和により、価格の上振れ要因が抑制されるとみられている。このため、香港政府は2014年5月時点の経済予測において、2014年通年の消費者物価を4.6%とした。

2013年通年の海外から香港への訪問者数は11.7%増の約5430万人と、香港の人口の7倍以上となった。うち、中国本土からの観光客は全体の75%を占めた。2014年1-3月期の香港への訪問者は前年比15.3%増で、中国本土からは2014年1-3月は20.1%増となった(2013年は16.7%増)。2013年の訪問者に関連した観光消費支出は前年比14.8%増の3320億香港ドル。

香港経済の4大産業セクターは現在、貿易・物流(2012年の付加価値ベースGDPの24.6%を占めた)、観光(同4.7%を占めた)、金融サービス(同15.9%を占めた)、専業サービスおよびその他生産性サービス(同12.8%)となっている。一方、2012年の付加価値ベースのGDPのうち、8.7%を占める「文化と創造」「医療サービス」「教育サービス」「イノベーションおよびテクノロジー」「試験および認証サービス」「環境産業」といった産業においては、香港は、今後のさらなる発展の可能性が有力視されている。

 

2.政府予算と政府主導

梁振英(CY・リョン)香港行政長官は2014年1月15日に施政方針演説を行い、貧困問題、次世代の育成、香港経済の住宅土地供給問題、貧困問題、高齢化問題、環境問題についての対応策を明らかにした。梁長官は新たな試みとして、低収入労働家族手当、職業教育のための特別委員会、今後10年間で公営住宅が6割を占める47万戸の住宅供給目標を提示した。金融業の振興については、政府は金融監督機関と協力しつつ、金融発展局(FSDC)が提出した人民元ビジネス、資産管理、不動産投資信託などのチャンスとチャレンジに関するレポートを詳細に精査し、遂行する。香港と中国本土の緊密な経済上のつながりを活用するために、政府は中国本土にさらに多くの拠点を設ける。武漢に香港経済貿易代表部(ETO)、北京と上海に連絡事務所を設置する。また、梁長官は「ランタオ開発諮問委員会」を設立し、大規模なインフラが完成した後の経済・社会的影響に備えることを決めた。

 

2014年2月26日に発表された2014年度予算の中で、曽俊華(ジョン・ツァン)財政長官は香港の競争力強化のためのイニシアチブを発表した。香港における研究開発費投資と商業活動の強化、技術系新興企業の支援、4つの柱産業の促進などである。1000万香港ドルを上限とする民間企業の研究開発費への資金提供と、取引費用削減のため、すべてのETF取引の印紙税撤廃を約束した。また金融、市場拡大、ブランド構築、生産性強化の観点から、中小企業向けに多くの支援策を発表した。2013-2014年の利得税を75%減(1万ドルを上限)、中小企業融資保障計画(SME Financing Guarantee Scheme)の特別割引政策(special concessionary measures)の申し込み期間を2015年2月末まで延長、などが含まれている。

 

2013年8月に調印された経済緊密化協定(CEPA)の第10次 補充文書では、従来の各段階での条項を前提に、一層の市場開放がなされた。第10次補充文書では、合計73件のサービス貿易の規制緩和および投資分野での利便性の向上が図られた。これにより、香港と中国本土の金融、貿易、投資分野での協力はさらに強まる。新協定は2014年1月1日付けで発効された。CEPAは当初、2003年6月に調印されてスタートし、その後毎年補充協議が行われ、市場開放が拡大してきた。CEPAの制度においては、少数の禁止物品を除き、原則としてすべての香港原産品がゼロ関税で中国本土に輸出される。同時に、香港のサービス提供者は中国本土市場での事業開始に当たっての優遇措置が受けられる。CEPAの制度ではまた、貿易・投資の効率化、本土と香港の専門人材の相互資格認定などについても多くの合意が形成された。

CEPAの詳細や最新状況、CEPAが香港に与える影響については、公式ウェブサイト(http://www.tid.gov.hk/english/cepa/)を参照ください。

 

3.投資の流れ

香港は海外直接投資(FDI)の極めて魅力的な市場である。国連貿易開発会議(UNCTAD)の2013年世界投資報告書(World Investment Report)によれば、香港へのFDIは2012年、米国(US1676億米ドル)、中国本土(US1211億米ドル)に続き、世界第3位となった。世界的にFDIが低調となる中、香港へのFDIは2011年の960億米ドルに対し、2012年は750億米ドル強へと増加した。一方、FDIの投資元としては、香港はアジアで日本、中国本土に次ぐ3位で、香港からのFDIは2012年に840億米ドルとなった。

政府調査によると、香港の直接外来投資は2012年末で約1兆2370億米ドルと推定され、同年のGDPの4.7倍あまりの規模となった。こうした直接外来投資の大きな特徴として、タックスヘイブン(租税回避地)のペーパーカンパニーによる香港への間接移転資金が大部分を占める点があげられる。こうした背景から、2012年は、英領バージン諸島が全体の32.7%、オランダ7%、バミューダが6.4%を占めた。これらのタックスヘイブンを含めたとしても、中国本土は香港にとって最大の投資元であり、全体に占める割合は37%となった。その他の主な投資元は、米国(全体の3.1%)、日本(2.1%)だった。大部分の投資は、投資、ホールディング、不動産、専業・ビジネスサービス、銀行、輸出入、卸売、小売などを含むサービス業に関連したものだった。

香港での事業展開に関する詳細情報と支援については、インベスト香港の公式ウェブサイト(http://www.InvestHK.gov.hk)を参照ください。

 

◇最近の貿易実績

・世界第8位の貿易額

・世界第10位のサービス輸出地域

香港の製品輸出額は2014年1-4月期に前年同期比0.1%増とわずかな伸びにとどまった(2013年通年は3.6%増)。主要輸出先は中国本土(輸出全体の54%)、EU(同9%)、米国(同9%)、ASEAN(同7%)、日本(4%)など。主要輸出先への輸出額の前年同期比の増減は、中国本土(1.5%減)、EU(2.6%増)、米国(0.1%増)、ASEAN(2.4%増)、日本(1.4%減)だった。また、香港の製品輸入額は2014年1-4月期に前年同期比2.1%増となった(2013年通年では3.8%増)。同期の貿易赤字は229億米ドルと、製品輸入総額の13.9%に相当する規模だった。香港の貿易実績は、香港企業の大部分が生産拠点を広東省に拡大している関係から、広東省での生産活動の影響を受けることに注意を要する。2013年の香港から中国本土への輸出全体のうち30.6%が、香港企業による本土での生産活動に関連したものとなった。内訳は国産品輸出が16.7%、再輸出品が30.7%だった。

世界の貿易環境は主要先進諸国の景気回復により、今年末にさらによくなる見通しだが、短期的見通しでは米の先細りにより新興経済は鈍る見込み。供給者側について見ると、香港の輸出業者は中国本土、特に珠江デルタ地域において、投入コストの上昇による生産環境の悪化に直面している。

 

◇中国本土との経済関係

・中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点

・中国本土にとって最大のFDI投資元

・中国企業にとっての主要オフショア資金調達センター

・中国本土は香港にとって最も重要な対外投資相手

 

香港はこれまで中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点となっている。香港政府統計処によると、2013年は再輸出の62%が中国原産品で、海外から香港への輸出の55%が中国本土を行き先としていた。一方、中国本土の税関統計によると、中国本土にとって香港は、米国に次いで二番目に大きい貿易相手で、2013年には香港との貿易が中国本土の貿易額全体の9.6%を占めた。

 

香港は中国本土に対するFDIの最大の投資元である。2013年末までに中国本土で認可され外資系投資プロジェクト全体に占める香港関連の割合は44.3%だった。香港から中国本土への実際利用資本流入額は累積で6646億米ドルと、資本流入額全体の47.7%を占めた。

 

一方、香港にとって中国本土は、最大の投資元となっている。香港政府統計処によると、2012年末までの中国本土から香港への投資額は、時価ベースで総額4570億米ドルと、香港への投資額全体の37%に相当する規模だった。

 

2013年12月時点で、中国本土で設立された銀行のうち、香港で営業免許を取得しているのは銀行11行と駐在員事務所4カ所である。中国銀行、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行などの大手行は、既に香港に支店を置いている。北京銀行、東莞銀行、広発銀行、平安銀行などの商業銀行も香港に駐在員事務所を置いている。

 

香港はまた、中国本土の企業にとって、主要なオフショア資金調達センターである。2013年12月時点で、中国本土企業797社が香港に上場し、H株やレッドチップ、民間企業株を構成。時価総額は合計1兆8000億米ドルと、香港の時価総額全体の56.9%を占めた。1993年から現在までに中国本土企業は香港での株式公開によって4000億米ドル以上の資金調達を行った。

 

◇リージョナル・センターとしての香港

・地域本部(リージョナル・ヘッドクオーター)および駐在員事務所としての人気拠点

・アジア太平洋地域における重要な通信拠点

・人民元オフショア取引の最重要拠点

・世界一繁忙な国際貨物取扱空港を提供する拠点

・世界クラスの繁忙なコンテナ取扱港湾を提供する拠点

・アジア第2位のプライベート・エクイティ取引拠点

・アジア第2位、世界第6位の証券取引拠点

・アジア第3位、世界第6位の外国為替取引拠点

 

香港は多国籍企業がアジア太平洋地域、特に中国本土での事業を統括する地域本部(リージョナル・ヘッドウオーター)および駐在員事務所を設置する場所として人気がある。政府調査によると、2013年6月時点で、香港以外に本拠を置く企業が香港に設置した地域本部および地域事務所は10年前より約20%増の計3835拠点に達した。これらの拠点の80%は中国本土の事業経営を担っており、香港が中国本土とのパイプ役を担っている。こうした拠点は多様な国々の多様な業種からなる。国・地域別では、米国(全体の21%)が最も多く、次いで日本(同19%)、英国(9%)、中国本土(7%)となった。業種別では、輸出入・卸売、小売が計52%と過半を占め、専門サービス・ビジネスサービス・教育サービスが計18%、金融・銀行が計11%、運輸・倉庫・国際宅配サービスが計8%となった。

 

香港はアジア太平洋地域の重要な金融センターとなっている。香港では、2013年末時点で、正規認可を受けた金融機関が201社、駐在員事務所が62カ所を数える。正規認可を受けた金融機関による国際貿易関連の融資額は計710億米ドル、その他融資額は計2488億米ドルに達する。国際決済銀行(BIS)によると、香港はアジア第3位、世界第5位の外国為替取引市場であり、2013年のネットベースの平均単日取引額は2750億米ドルだった。

 

香港のオフショア人民元取引は、中国中央政府が2009年7月に中国本土5都市を試験地域に選定して人民元建て貿易決済を開始したことが契機となり、拡大した。これにより香港は貿易金融、人民元建て証券、人民元建て債券、人民元建てファンドを含む人民元建て金融商品・サービスの供給を拡充することに成功した。これ以降、2013年末までに、香港の対外人民元送金額は計8兆7000億元、香港の人民元建て預金は計8600億元に達した。香港での人民建て債券(点心債)の発行額は2013年に1170億元となった。2012年10月、合和公路基建有限公司の人民元建て株が香港証券取引所に中国本土外の初の人民元建て株式としてデュアル・トランシェ、デュアルカウンターIPO(Dual Tranche, Dual Counter)で上場された。

 

2013年末には、香港証券取引市場は時価総額ベースでアジア第2位、世界第6位となった。HKEx上場企業数は1643社で、うち179社は成長企業市場への上場企業、時価総額は3兆1000億米ドルだった。香港はまた、2013年末に、プライベート・エクイティ・センターとしてアジア第2位(域内シェアは約19%)となった。

 

香港はまた、アジア太平洋地域の重要な通信ハブである。通信インフラの普及率は、住宅用固定電話回線が100%超、住宅用ブロードバンドが80%。携帯電話加入数は人口の2倍を超す1700万件規模で、うち70%が2.5Gおよび3G/4Gの契約者。無料の無線LAN(Wi-Fi)スポットは2万カ所以上となっている。

 

香港は世界の主要なビジネス拠点であり、国際会議の開催地としての人気も非常に高い。毎年開催される国際会議および見本市は300件にも上る。一例として、2005年12月には、香港で第6回世界貿易機関(WTO)閣僚会議が開催され、香港閣僚宣言が採択された。2008年12月には、米国外で初となる「クリントン・グローバル・イニシアチブ」が香港で開催された。

 

◇インフラ開発

香港・珠海・マカオ大橋の建設は2009年12月に始まり、2016年の完成が見込まれている。大橋は「主橋」「境界通過施設」「連結道」の3つの部分からなる。今後の香港、マカオ、珠江デルタ西部のさらなる経済発展を促す重要な戦略プロジェクトである。この工事により、香港と珠江デルタ西部とのヒト・モノの移動に伴う経費、時間が飛躍的に削減される。そして、珠江デルタ地域と近隣地域との経済統合が加速され、珠江デルタ地域の競争力が一層高まると期待される。

 

一方、広州・深セン、香港高速鉄道は西九竜から深センをへて東莞、広州までを結ぶ香港区間が全長26キロメートルになる計画で、完成により、移動時間が短縮化される。さらに重要なのは、急ピッチで建設中の全長1万6000キロメートルに達する国家高速鉄道網に連結され、香港と中国本土の経済関係がさらに緊密化されることである。これらの鉄道が完成すれば、香港からの移動所要時間は、北京が10時間、上海が8時間となる。2017年にはすべての工事が完成する予定となっている。

 

越境交通インフラの整備のほかに、香港政府は今後数年間に域内輸送システムの改善、芸術・文化の長期的な振興、快適な居住空間の市民への提供にも取り組む。香港鉄路(MTR)はまた、西港島線(2014年完成予定)、南港島線(東段)(2015年完成予定)、沙田~中環線(2020年完成予定)の建設を進めている。また啓徳空港跡地にクルーズツアーを新たなレベルに引き上げるべく、クルーズ・ターミナルが完成した。最大22万トン級のメガクルーズ船を二隻、停泊させることができるバースを二つ備えている。第一バースは2013年6月に開業し、第二バースは2014年に完工予定となっている。

 

香港国際空港は世界でも最大規模の貨物輸送空港であり、同時に世界10位以内に位置する乗客輸送空港であるため、数年以内に処理能力が限界に達する見込み。3番目の滑走路の建設が急務であり、2023年までに建設される予定である。

 

港湾については、今後数年間にコンテナ取扱量は比較的に緩やかに増加し、2005年までに新たなコンテナ・バースが必要になるとみられている。政府は青衣南西部の第10コンテナ・ターミナルの開発に向けて、技術面の可能性評価と環境影響評価を行うことを検討している。「香港港湾発展戦略2030調査」も現在進行中で、港湾貨物量の予測の見直しや、将来に向けた既存港湾施設の有効利用についても再確認が行われている。これら一連の調査・検討は2014年に完了する予定となっている。

Wenda Ma

 

 


【注】本稿は英語・中国語の原文を参照して作成した日本語版であり、全文を対訳したものではありません。また、原文の最新の更新が反映され ていない場合がございます。ご利用いただく際は、原文もご確認いただくようお願い申し上げます。