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香港経済貿易統計

20111114

香港の経済・貿易情報

最新の動き

・   2011年、第3四半期における香港経済は上昇基調を維持し、実質GDPは2010年の7%増加から5.6%増加となった。

・   2010年の消費者物価は2.4%上昇、2011年1月~9月は前年同期比5.1%の上昇となった。

・   失業率は、2010年は4.4%であったのに対し、2011年7月~9月の3ヶ月間では前年同期比3.2%となった。

・   小売売上高の総額は、2010年が18.3%増であったのに対し、2011年1月~9月は前年同期比25.4%増加した。

・   総輸出額は2010年の22.8%増加に対して、2011年1月~9月には、前年同期比11.2%の増となった。

・   2010年に香港への訪問者数は前年比22%増、香港の人口の5倍以上に相当する3,600万人となった。中国本土からは前年比26%増の2,270万人が来港した。

・   2010年5月27日、「中国本土/香港 経済貿易緊密化協定(CEPA)第7次補充協定」が調印され、19分野35項目にわたる市場の開放措置、貿易・投資促進策が決定した。これにより、自由化措置の適用されるサービス分野は合計44となる。


主要経済指標

 

2008

2009

2010

予測/最新

人口 (百万人)

6.98

7.00

7.07

7.11 a

GDP (十億米ドル)

215.0

208.0

223.6

240.3b

実質GDP成長率 ()

+2.3

-2.7

+7.0

  +5.00b

1人当たりGDP (米ドル)

30,800

29,700

31,600

33,800b

インフレ率 ()

+4.3

+0.5

+2.4

 +5.1 c

失業率 ()

3.6

5.4

4.4

3.2

 a  2010年度末、 b  2011年政府予測、 c  2011年1月~9月の前年同期比、  2011年7月~9月の前年同期比


製品貿易動向

 

2009

2010

20111月~9

十億米ドル

成長率()

十億米ドル

成長率()

十億米ドル

成長率()

総輸出額

316.5

-12.6

388.6

+22.8

318.2

+11.2

地場輸出

7.4

-36.4

8.9

+20.4

6.5

-0.4

再輸出

309.1

-11.8

379.7

+22.8

311.7

+11.5

輸入

345.2

-11.0

431.4

+25.0

358.1

+12.8

貿易合計

661.7

-11.8

820.0

+23.9

676.4

+12.1

貿易収支

-28.6

-

-42.8

-

-39.9

-


サービス貿易動向

 

2009

2010

20111月~3月

十億米ドル

成長率()

十億米ドル

成長率()

十億米ドル

成長率()

輸出

85.9

-6.8

106.0

+23.4

88.0

+15.1

輸入

43.7

-7.1

50.7

+16.0

41.0

+11.4

貿易合計

129.6

-6.9

156.7

+20.9

129.0

+13.9

貿易収支

42.2

-

55.3

-

47.0

-

 

 

最近の経済状況

・世界で最も自由な経済

・世界で最もサービス指向の強い経済 (GDPの90%以上がサービス部門)

・世界第2位の住民一人当たり外貨保有高

・世界第10位の外貨準備高

・アジア第1位の海外直接投資(FDI)元

・アジア第2位の海外直接投資(FDI)先                                

 

1. 最新動向

2011年、第3四半期の香港経済は健全に成長し、実質GDPは2010年の7%増から5.6%増へと躍進した。域内では、雇用と収入の改善により、今年第3四半期まで個人消費が大きく伸び、前年度比で実質8.9%上昇した。総設備投資額は、継続的な公共施設建設および大規模なインフラ工事による内需の後押しをうけ5.8%増加した。域内需要が強い一方で、米国の悪化した経済・財政状況と長期化するヨーロッパの債務問題は顕著になり、外部環境の不確実性は高まっている。対外部門では、製品およびサービス輸出がそれぞれ実質4.1%増と7.8%増となった。香港政府は11月、2011年の経済成長率の予測を5%と修正した。

 

内需の高まりと観光客による支出を反映し、小売販売も順調に伸びている。2010年の18.3%増に対し、2011年1月~9月は前年同期比25.4%増となった。労働市場の環境も著しく改善している。失業率は1998年以来最低レベルとなり、2010年の4.4%に対し、2011年9月末までの時点の過去3ヶ月間では3.2%にまで低下した。また、消費者物価は2010年の2.4%増に対し、2011年1月~9月は前年同期比5.1%増となった。香港は世界的に高騰する食品と商品価格の煽りを受け、インフレ圧力と域内景気の拡大に伴う物価の段階的な上昇に直面している。香港政府は、2011年のインフレ率が5.2%に達すると予測している。

 

2010年の海外からの訪問者数は3,600万人に達し、対前年比22%増となった。中国本土からの観光客が主な牽引力である。中国本土からの観光客は前年度比26%上昇し2,270万人で、全体の63%を占める。2010年の観光を含む訪問者による消費額の合計は、前年度比33%増の2,100億香港ドル、また宿泊を伴う訪問者の一人当たりの消費額は、16.6%増の6,700香港ドルとなった。物品の流通については、以下の最新貿易実績をご参照下さい。

 

香港経済の4本の支柱は、貿易物流(2009年のGDP付加価値額の24.1%を占める)、観光(3.3%)、金融サービス(15.2%)、専門および他の生産者向けサービス(13.1%)である。また、今後の香港の発展に伴い優位性のある産業6つの産業、「文化創造産業」、「医療」、「教育」、「技術革新」「検査・認証」「環境」は、2009年のGDP付加価値額の8%を算出する結果となった。

 

2. 政府予算および取り組み

2011年2月23日に発表された2011-12の予算において財務長官は、物価上昇の影響を軽減し、生活レベルの向上、長期的な経済発展のための取り組みを明らかした。取り組みと対策の分野として、教育、健康管理、高齢者向けサービス、スポーツの発展、退職年金保護、また香港の4つ支柱産業と香港が優位性をもつ6つの産業について言及された。 たとえば、公衆衛生と医療についての研究開発の促進を目的とした10億香港ドルの基金の投入、中小企業向けのサポートとして、中小企業借入保証政策の保証額を200億香港ドルから300億香港ドルまで増額、また草の根レベルの取り組みとして、企業や、職業訓練コース受講の援助として、持続可能なマイクロファイナンスの運用の可能性を調査することなどである。 また、香港の包括的な競争力を強化するために政府は、新興および近隣の経済との関係を構築する努力を進めることも言及した。

 

香港特別行政区政府のドナルド・ツァン(曽蔭権)行政長官は2011年10月12日、「力から力へ(From Strength to Strength)」と題した2011-12年度の「施政報告」(施政方針演説)をおこない、廉価な住宅提供、高齢者福祉、競争力強化、生活水準の向上など香港住民にとって差し迫った課題への対応策を発表した。そのひとつが、低所得世帯の住宅購入支援のための持ち家スキームの再開である。高齢者対策としては、引き続き高齢者の在宅生活を奨励するとともに適切な高齢者ケア施設やサービス拡充に努めるとしている。政府はまた、生活水準のさらなる向上を目指し、仕事と家庭の両立を支援する業務慣例推進のため、標準労働時間の制定や男性の産休規定の導入の可能性を検討する予定である。

 

また、行政長官は世界経済の展望に関して懸念を表明した。2008年の金融危機(金融の津波)以降、世界経済が変化し続け、世界経済発展の推進力はアジアとBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)に移ったと指摘した。政府は今後、香港の競争力強化策の発表を予定で、特に中小企業の置かれた困難な状況に着目し、これを乗り切るために必要な措置を導入すると発表した。たとえば諸外国との貿易・経済協力協定の締結検討、香港企業の中国本土市場進出促進のための10億ドルの基金の設立、広東との連携強化を重視した国家第12次5ヶ年計画の補完、オフショアRMB(人民元)ビジネスセンターとしての香港の役割強化、香港の優位性が明らかな6産業の支援(香港の試験機関による中国製品安全強制認証(CCC)制度のための製品試験着手に向けた予備計画の範囲拡大、香港企業による高性能クラウドコンピューティング技術やアプリケーションの開発促進など)などである。政府はまた、中小企業の研究開発活動の支援強化に向けて、「研究開発に関する現金払い戻し制度」や「小規模企業研究補助プログラム(SERAP)」の見直しも予定している。

 

2010年5月27日、「中国本土/香港 経済貿易緊密化協定(CEPA)」の第7次補充協定が調印され、19分野35項目にわたる市場の開放措置、貿易・投資促進策が決定した。これにより、自由化措置の適用されるサービス分野は合計44となる。一連の施策は2011年1月より施行され、香港のサービス産業の中国本土市場への進出とビジネス拡大を促進し、サービス産業の統合、また香港・中国本土双方のビジネス交流を促進する。これらの施策の対象には、香港の4つの支柱産業と、香港が強い競争力を持つ6つの経済産業分野のほとんどが含まれるため、金融、貿易、ショッピング、物流、高付加価値型サービスの国際的な中心地としての香港の地位をより堅固なものとするであろう。また、中国本土と香港の双方が共同で教育、医療サービス、検査・認証、環境、革新的技術、文化産業を振興していくための基礎を築くことになるとみられる。CEPAは2003年6月に初めて締結され、その後、追加の自由化措置によって補足されている。現在、少数の禁止品目を除くすべての香港原産品をCEPAに基づき本土にゼロ関税輸出することができる。

 

香港に対する影響に関する分析を含め、CEPAに関する詳細および新たな動向については、http://www.tdctrade.com/cepa/ をご確認ください。

 

3. 投資の流れ

香港は海外直接投資のきわめて魅力的な市場である。UNCTADの2010年世界投資報告書によれば、香港は2010年、世界で第4位の海外直接投資(FDI)の投資先であった。FDI流入額は689億米ドルで、2009年から31.5%飛躍的伸び、これまでで初めて世界ランキング3位を獲得した。13年連続で香港は中国に次ぐアジア地域第2位のFDI投資先である。また、香港は地域第1位のFDI投資元となり、2010年のFDI流出額は760億米ドルに達した。

 

最近の政府の調査によると、対内直接投資額は2009年末に9,310億米ドルと推定され、その額はGDPの4.4倍となる。 直接投資は、タックスヘイブンとしての税制メリットを利用した非事業企業からの間接的な資金の流れとなっている。こうした背景に反して、英領ヴァージン初頭、バミューダ、ケイマン諸島は、対内直接投資総額はそれぞれ32.4%、6.2%、2.0%と公表した。タックスヘイブンの税制メリットを除いての香港への直接投資の投資国は、中国が全体の36.4%と最大で、オランダ(6.8%)、米国(4.3%)、日本(2.3%)が続いている。投資先としては、株式投資、プロフェッショナルサービスなどを含むサービス産業、銀行、輸出入業、卸売業、小売業、運輸、倉庫、郵便、宅配業など

 

さらに詳しい情報と投資については、インベスト香港のウェブサイトをご確認ください。 http://www.InvestHK.gov.hk

 

最新貿易実績

・貿易高は世界第10位

・世界第11位のサービス輸出地域

 

世界経済の回復と活発な域内貿易に支えられ、香港の製品輸出高は2010年に前年比22.8%増、2011年1-9月に前年同期比11.2%増と増加を維持している。香港の主要輸出市場は中国本土、EU、米国、ASEAN、日本で、これらの地域が2011年1-9月に総輸出高のそれぞれ52%、11%、10%、7%、4%を占めた。また同時期にこれらの地域に対する輸出高は、9.4%、8.5%、0.27%、21%、6.1%増となった。輸入は2010年は25%増で、2011年1-9月に対前年比12.8%増となった。貿易赤字は、2010年の9.9%に対し、2011年1-5月にかけては製品輸入額11.1%相当の399億米ドルとなった。香港の貿易実績は、香港の大半の企業が製造拠点を設けている広東省の来料加工活動の影響を一部受けている。2010年の香港の中国本土向け総輸出高は、32.5%来料加工活動によるものだった。地場輸出の比率は18.6%、再輸出は32.8%であった。

 

輸出伸び高は2011年の第2四半期以降減速している。理由は、3月に起こった東日本大震災後によるサプライチェーンの寸断、米国の停滞した経済とヨーロッパの債務危機による低需要によるものである。海外消費者は借金投機の停止のため安いものを買い、貯蓄を増すことが予想される。 供給側、つまり香港輸出者は、珠光デルタ地区において特に、挑戦的な生産環境に耐えなければならいない。0労働力不足と労働コスト急騰に直面する中で、香港の輸出企業の利益幅は米ドルに対する人民元高のためにさらに減少しつつある。また中国政府が産業近代化奨励措置の取り組みを再開したことも、こうした問題のさらなる深刻化、生産コストの増大につながるであろう。

 

中国本土との経済関係

・中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点

・中国本土にとって最大のFDI投資元

・中国企業の主要オフショア資金調達センター

・中国本土は香港にとって最も重要な対外投資元

 

香港は、これまで中国本土にとって最も重要な中継貿易拠点となってきた。中国本土と香港間の再輸出入を含めると、2010年には中国本土の海外貿易の約15%が香港経由であった。香港・本土間の積み替えを含めるならば、この比率はさらに増大する。香港特別行政区政府の統計によれば、2010年には再輸出の62%が中国原産、53%が中国本土向けであった。また中国税関の統計によれば、香港は中国本土にとって、米国、日本に次ぐ第3位の交易相手であり、2010年には中国本土の総貿易高の7.8%を占めた。

 

香港は、中国本土対する海外直接投資(FDI)の最大の投資元である。2009年末現在、本土で承認された外資系プロジェクトの45.4%は香港関連である。累積投資額では、香港から中国本土への資本流入額は、全体の42.3%に相当する総額4,563億米ドルに及ぶ。

 

一方、香港にとって中国は主要投資元のひとつである。香港特別行政区統計処によれば、中国本土の対香港直接投資額は総額3,390億米ドルで、これは2010年末時点、香港に流入する直接投資総額(FDI)の36.4%に相当する。

 

2011年1月時点、中国本土で設立された銀行のうち7行が香港で銀行免許を取得し、さらに6行が香港に駐在員事務所を設置している。中国銀行、中国工商銀行、中国農業銀行、中国建設銀行を含む大手行が香港に支店を開設している。また深圳発展銀行、中国光大銀行、上海浦東発展銀行等の市中銀行が香港に駐在員事務所を設置している。

 

また香港は、中国企業の主要なオフショア資金調達センターでもある。2010年12月時点、香港株式市場にはH株、レッドチップ、その他民間企業を含め、本土企業592社が上場している。このような株式の時価総額は11兆9,000億米ドル、香港株式市場全体の57%に相当する。過去10年間に本土企業は香港株式市場で1兆7,000億香港ドル(2,260億米ドル)以上を調達した。

 

地域センターとしての香港

・地域本社および地域事務所の設置先として好まれている

・アジア太平洋地域のための重要な通信ハブ

・国際貨物取扱量世界最大の空港

・コンテナー取扱量世界第3位の港

・アジア最大のベンチャーキャピタルセンター

・アジア第3位、世界第7位の株式市場

・アジア第3位、世界第6位の外為市場

 

香港は、多国籍企業がアジア太平洋地域、特に中国本土の事業を統括するための地域本社または地域事務所の設置先として人気がある。政府の調査によれば、2010年6月時点、香港以外に本部を置く会社が香港に設置した地域本社(RHQ)および地域事務所(RO)の数は3,752にのぼる。これは、前年比1.6%増だ。これらのRHQおよびROの82%は中国本土事業の経営にあたっており、香港が本土へのゲートウェイとして重要な役割を果たしていることが分かる。このような企業の国籍や産業分野は多様である。香港にあるRHQ/ROで最も多いのは米国企業(22%)で、これに日本(17%)、英国(9%)、中国本土(7%)が続く。産業分野別では、輸出入、卸売および小売に従事するRHQ/ROが一番多く(50%)、それに専門・ビジネス・教育サービス(19%)、製造(14%)、金融・バンキング(11%)、輸送・保管・宅配サービス(8%)が続く。

 

香港はアジア太平洋地域の重要な金融センターである。2010年12月時点、香港には正式な認可を受けた金融機関が193、駐在員事務所が67あり、これらの認可金融機関による国際貿易関連の融資総額は350億米ドル、香港外での利用を目的とする融資総額は1,120億米ドルに及ぶ。国際決済銀行によれば、香港はアジア第3位、世界第6位の外為市場であり、2010年の1日平均の純取引額は2,376億米ドルにも及ぶ。

 

2010年末時点、香港は時価総額でアジア第3位、世界7位の証券市場である。香港証券市場には、成長企業市場(GEM)の169社を含め、1,413社が上場しており、時価総額は2兆7,000億米ドルである。また香港はアジア最大のベンチャーキャピタルセンターであり、2009年半ば時点、地域のベンチャーキャピタル総額の約24%が香港で運用されている。

 

香港はアジア太平洋地域の主要通信ハブでもある。2010年末現在、電話回線は369万回線、ファックス回線は26万回線に及ぶ。また携帯電話加入者は、香港の総人口を超え、1,340万人に達している。また80%以上の世帯にブロードバンド・インターネット接続が浸透している。世界の大半の国や地域へのダイレクト・ダイヤル・サービスが利用でき、国際通話量は2005年から2010年にかけて年5.7%増大し、103億分となった。

 

香港は見本市や会議の開催地としても非常に好まれており、毎年、300以上の国際会議や展示会が開催されている。一例を挙げると、2005年12月には第6回WTO閣僚会議が香港で開催され、香港閣僚宣言が採択された。また2008年12月には、米国外では初めての「クリントン・グローバル・イニシアティブ」 会議が香港で開催された。

 

インフラ開発

香港珠海マカオ橋(HZMB)の建設は2009年12月に開始され、2016年に竣工予定である。この橋は、主橋、香港・珠海・マカオの境界通過施設、これら3地域を結ぶ接続道の3つの部分から構成される。HZMBは、今後香港、マカオ、珠江デルタ西部(西PRD)の経済発展を促す重要な戦略プロジェクトである。HZMBによって香港と西PRD間の人と製品の輸送コストや時間が大幅に削減されるものと期待される。それに伴ってPRDと近隣地域の経済統合が加速され、これらの地域の競争力が高まるであろう。

 

また広州・深圳・香港高速鉄道(XRL)の西九竜から深圳を経て東莞、広州に至る全長26 kmの香港区間が完成すれば、これらの地域間の移動時間が大幅に短縮される。しかしそれよりも重要なのは、この区間が急ピッチで開発中の全長16,000 kmの全国高速鉄道網に接続され、それによって香港と本土の経済関係がよりいっそう緊密になることである。高速鉄道網が完成すれば、香港から北京までは約10時間、上海までは8時間で移動できるようになる。このプロジェクトは2015年竣工予定である。

 

越境鉄道網の開発のほかに、今後数年間に政府は、域内輸送システムの改善、芸術および文化の長期的発展の奨励、上質な居住空間の提供を含め、数多くの大規模インフラ開発プロジェクトを計画している。香港鉄路(MTR)は、南港島線(東段)(SILE)の詳細な設計を開始し、環境アセスメントを進めている。SILEの建設は2011年に開始され、2015年竣工予定である。またすでに建設が開始された西港島線は2014年竣工予定である。加えて、香港の複数の地区を縦断する戦略的鉄道である沙中線(SCL)は、調整のための調査および予備設計がすでに完了し、2012年に着工予定である。啓德開発プロジェクトは、公共住宅、クルーズ船ターミナル埠頭、関連サポートインフラを含め、第1段階の工事が進行中である。クルーズ船ターミナル第1バースはすでに建設中で、2013年に操業開始予定である。第2バースも2014年には操業が開始される予定である。

 

香港空港管理局(AA)は香港国際空港(HKIA)の競争力を強化するために、旅客や貨物取扱能力の拡大と珠江デルタとの交通リンクの強化を目的に空港インフラの改善を進めている。

 

HKIAは2008年に深圳国際空港(SZIA)と協力して、乗客がどちらの空港でも接続便のチェックインができ、搭乗券を入手できるようにする、香港深圳空港リンクサービスを開始した。また

 

AAは、今後20年間の空港開発計画を規定する香港空港マスタープラン2030を発表した。このプランは大きく2つに分けられる。一つ目は、中期的に香港の航空要求に対応するため、既存の2の滑走路を維持すること。二つ目は2030まで、もしくはそれ以降に、増大が見込まれる航空交通需要に対応し、国際的な航空ハブとしてその位置を強化するために、滑走路を新設することである。

 

港湾施設に関しては、コンテナー取扱能力が小幅ながら今後数年間に着実に拡大される計画である。香港は2015年には最初の新コンテナーバースが必要になる。香港特別行政区政府は、青衣南西部のコンテナーターミナル10の開発に向けたフィージビリティ調査を積極的に進めている。この関連予備フィージビリティ調査および環境アセスメントは2009年3月に始まり、2011年末までに完了する予定である。

 

* この経済レポートでは、オフショア貿易を除外した、香港の狭義の貿易実績を分析した。オフショア貿易は、香港企業が行っている輸出事業のかなりの比率を占めるが、通常の貿易統計では捕捉されていない。